飛行機雲

第１章:想う

1.追いかけてきた

「…やっぱりここの制服は可愛いなぁ…」


初登校から、一週間がたった朝。

等身大の鏡で制服を見ながら独り言。





私は爽菊 愛(ｻﾜｷﾞｸ ﾁｶ)。


愛っていうのは、「あい」じゃなくって

「ちか」って読む。


珍しい読み方。




私は制服を整えてから急いでリビングへとおりた。


「ママおはよう」


キッチンで弟とパパの朝ごはんを作っているママに呼びかけた。


「あら、愛。もうでるの？早いね。いってらっしゃい」


ママはご機嫌で、私を送りだしてくれた。



「いってきます！」



私が通っている王丘高校は、バスケ部が強く、勉強ができる人しか入れない。

エリート高校。