お前しか見えてないから。*特別番外編*

そんなことまで気づいてくれるなんて、ちょっと嬉しい。



照れくさい気持ちになって少しはにかんだように笑ったら、いきなりギュッと抱きしめられた。



……どきん。



「な、ナツくん…っ?」



温かいナツくんの腕に包まれて、急にまた心臓が騒がしくなる。


どうしよう…。



「なぁ、」



すると彼が小さな声でつぶやいた。



「…ん?」



「キスしていい?」



「えっ…//」



キスって…、この体勢で……?



どうしよう…。すごく恥ずかしい。



でも、嫌なわけがないから…



「う…うん//」



ドキドキしながらも、小さな声で頷く。



そしたらナツくんは腕の力を緩め、私の頭の後ろに手をまわすと、そのまま自分の方へ引き寄せるようにして、優しく口付けた。



「……ん」



甘いキスに心臓が壊れそうになる。



暗闇の中寝そべってするキスは、いつもよりずっとドキドキして。


まるで世界に私とナツくんの二人だけしかいないみたいに思えた。


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