私、今から詐欺師になります
 だから、またジョークだと思われたかもしれないと思ったが、まあ、自分から茅野が離れてしまうよりは、その方がいいかと思った。

 しばらく歩いて振り返ると、大きな屋敷の前に、まだ茅野はぽつりと佇んでいた。

 もう一度、手を振ると、一生懸命振り返してくれる。

 玲も笑って振り返した。





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