Leila -ヴェルフェリア英雄列伝 Ⅱ-
4
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「――なんと甘ったるい……」
今朝の顛末を話したら、いつも武人らしく凛としているメリーが、珍しくむずがゆそうな表情でそんなことを言った。
「メリー、あなた正直ね」
「いや、失礼。陛下との距離が縮まられたようで何よりです」
こほん、とひとつ咳払いをして、ついこぼれ出てしまった本音を恥じるように、メリーはわずかに顔を赤くして目をそらした。
「メリーは普段は武人然としていますけど、こう見えて意外に乙女なので、そういう話には弱いんですよ」
ほくほく笑って言うのはカインだ。
メリーの鋭い眼光に睨まれても、まったくひるむ様子がない。
「それで、リーラ様は今夜こそ夜這いを決行されるんですね」
「カイン! 夜這いじゃないったら!」
軽口をたたくカインを、メリーの真似をして睨みつけてみる。
けれど武人であるメリーの眼光にすらひるまないカインだ。
リーラが睨んだところで、ほくほくした笑みは変わらない。
「――なんと甘ったるい……」
今朝の顛末を話したら、いつも武人らしく凛としているメリーが、珍しくむずがゆそうな表情でそんなことを言った。
「メリー、あなた正直ね」
「いや、失礼。陛下との距離が縮まられたようで何よりです」
こほん、とひとつ咳払いをして、ついこぼれ出てしまった本音を恥じるように、メリーはわずかに顔を赤くして目をそらした。
「メリーは普段は武人然としていますけど、こう見えて意外に乙女なので、そういう話には弱いんですよ」
ほくほく笑って言うのはカインだ。
メリーの鋭い眼光に睨まれても、まったくひるむ様子がない。
「それで、リーラ様は今夜こそ夜這いを決行されるんですね」
「カイン! 夜這いじゃないったら!」
軽口をたたくカインを、メリーの真似をして睨みつけてみる。
けれど武人であるメリーの眼光にすらひるまないカインだ。
リーラが睨んだところで、ほくほくした笑みは変わらない。