先輩とわたし

抱えているもの




最近、先輩の様子がおかしい



そわそわしてて
ふわふわしてて
心ここに在らずって感じ




私が声をかけても
「ああ、」とか「うん」とか素っ気ない

目が合っても、パッと逸らして
そのまま気づいてないふりをされる



部活中もエラーばっかりで
投げた球がすっぽ抜けたり、
球を取り損ねたり、
とにかく見ていられないくらいひどい

監督もカンカンに怒ってて
いつも怒鳴り散らしている




顔をベチベチ叩いたり
グローブをパンッて叩いたり
気合い入れてるつもりなんだろうけど、
どうもすぐに気合いはどこかに行ってしまうらしい。




どうしたんだろう。


目を逸らされたり、素っ気なくされたり、
私、何かしたかな。嫌われた?









もやもやブルーなまま、購買に行くと
美咲さんがいた


「あ、愛ちゃん!やっほ!」


一緒にいた友達に先に食べててというと
私の方に近寄ってきた

相変わらず美人すぎて困る、、




「こんにちは美咲さん。」

ヘラッと笑ってみせると
すぐに美咲さんの顔が曇った

「あれ?どうしたの?元気ないじゃん。」

何かあった?って聞かれて
何故か美咲さんに話したくなった



美咲さんなら分かってくれるって思った




「....ちょっと、話、いいですか?」



そう言うとニッコリと美咲さんは微笑んで
私の手を取り、人気のない校舎の裏に連れて行った






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