激しく、優しく、愛して





「食料品ってなんで今から?」


「家になにもない。晩ご飯まだだろ?
俺もまだ」


「なんで食べてないの?
買い物だって明日行くなら
仕事終わって今日行けばよかったのに
わざわざ車出してまで行く必要ある?」


なにも答えない冬二は少し窓を開けて
風を入れる。


「離れたとこだったら誰にも会わないだろ」


ボソッと聞こえるか聞こえないか
ひとり言みたいな感じの声の大きさだったけど
はっきり聞こえた。


わたしと行くために待ってたの?
一緒に行くために車出して迎えに来てずっと?


…そんなわけ、ないよね。




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