サガシモノ
3時
しばらく教室内を探していたあたしたちだけれど、不意に明かりが消えて暗闇に包まれていた。


「もう、なんなのよ!」


渚がすぐにライトを付けて文句を言う。


「時間切れ……か?」


陽がそう呟いた時だった、柱時計が3回鳴り響いた。


夜中の3時だ。


冷たかった空気が徐々に夏の暑さを取り戻して行く。


「1時間内に見つけ出せってことなのかな……」


あたしは周囲を見回してそう呟いた。


「たった1時間じゃ無理だよ……」


渚が眉を下げて弱気な発言をした。


せめて何を探せばいいのかがわかっていればいいのに……。


そう思い、あたしは1年3組の教室を見回した。


彼らのクラスと顔はわかったけれど、そこからどう進めていいものか。


「とりあえず、一旦帰ろうぜ。明日もここに来るなら少しは休んだ方がいい」


健の言葉に、あたしたちはぞろぞろと旧校舎を後にしたのだった。
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