君の隣に

一時間目 体育

一時間目は体育館でシャトルラン。

男子が先にやるから隅っこにともみと座っていた。

「裕樹サッカー部だからすごいのかな?」

ともみはワクワクしていて私の体を凄い勢いで揺らしてくる。

「さぁ、すごいんじゃない?」

「適当に答えんなよ、えりなのばか。」

「早いと思うよ。てか、興味持たれたらこまるっしょ。」

「興味もったら殴るから。」

「ともみは馬鹿力だから折れる(笑)」

そんな話をしていつもみたいに2人で笑っていた。

遠くの方から先生が男子を並ばせる声が聞こえた。

「えりな!!」

体育館に凄く響く声で私を呼ぶ声が聞こえた。

「…将生?どーしたの?」

何故か凄くドキドキしていた。

怒られるの?なにかしたっけ?

「ジャージ、持ってて!よろしく。」

それだけだった。

でも、クラスの女子は怒りの目で私を見ていた。

なんかしたっけ?…もしかして皆将生のこと好きなの?

将生ってどんな人なんだろう…。

出会ったばかりでわかんないな。

ともみが知ってる訳ないし。

涼太に聞けたら聞こうかな!

受け取ったジャージからは凄くいい匂いがした。

「…将生、いい匂い…。」

「なんか言ったか?聞こえなかった。」

いい匂いなんて言えなくて誤魔化した。

それにしても5月の体育館は少し暑い。

私暑さに弱いんだよね…。

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