君の隣に

3時間目 理科

「お待たせ、ともみも一緒に行くって。ともみ、おいで!」

私の後ろからひょこっと顔を出した。

「田中、ごめん。」

何故か裕樹が謝った。

「ううん、大丈夫。知ってたから…。」

もしかして…私の話?

「えりな、別に俺どうなりたいとかないから。気にするな。いいな?」

「うん、分かった…。」

これでいいんだよね。

私はともみをみた。

ともみは笑っていた。

私にはその笑顔の意味がわからなかった。

「じゃ、理科室いくぞ。遅刻しちゃう。」

涼太の一言でみんなが一斉に歩き出した。

私は涼太の背中に小さい声でありがとうと言った。

授業が始まり皆が実験の準備をしていた。

四人グループでもちろん裕樹と涼太と私とともみだ。

「…な、えりな!試験管取って。」

「え、あ、ごめんごめん。はい、裕樹。」

やっぱり裕樹と私はぎこちなかった。

その時…

パリンっ!試験管が落ちてしまった。

「ごめん裕樹!怪我はない?」

「あぁ大丈夫。それより…」

「痛っ!」

試験管の破片で指を切った…めっちゃ痛い…。

「えり…「杉田!大丈夫か?試験管は先生が片付けるから保健室行ってきなさい。」」

先生すごい起こってる…。

「はい、行ってきます。」

「俺もつきそう!」

裕樹…今は行きたくない。

「杉田ひとりで行きなさい。」

先生ありがとう。今だけは助かった。

「行ってきます。」


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