俺が彼女に会えない理由
「冬弥くん、自信を持って。戦国武将みたいに、強く生きていってね。自信をもって」

女の人は優しくいたわるように、冬弥の頭を撫でた。

「もし、いつか、どこかで、冬弥くんの目を見て戦国武将って表現する女の子がいたら、その子は運命の人かもしれない」

運命?
運命って、なんだろう?

冬弥はますますわけがわからなくなった。

すると、女の人は腕時計に目をやり、「あっ。いけない、時間だわ。じゃあね」と、冬弥から離れた。

「悔いなく、生きてね!」

足早に道路に向かって駆け出して行った。
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