私に恋してくれますか？

内視鏡室で、検査着に着替えて、検査室に入ると、
「調子はどう？」と足立先生がいた。

「お薬をいただいたので、随分と良い気がします。
先生が検査するんですか？」と言うと、

「まあ、ここはプロに任せて、見学。
モニター見てればでよくわかるし。」と後ろにいた女性医師に笑いかける。

「まったく、足立先生が見にくるなんて、滅多にないから
ナースが浮き足立って困るわ。
でも、日野さんは特別大切な患者さんらしいから、
みんなちゃんと仕事して！」と大声で笑って、
看護師さんたちがはーいと笑った声を出すのが聞こえた。

「日野さん、俺ってモテるらしいよ。」と足立先生は私に笑いかけてから、

「皆さーん。ここに居る患者さんは僕の将来の奥さんだからよろしくね。」と、言ったので、

「え？本当？」と女医さんが驚いた声を出す。
「う、嘘です！」と私が真っ赤になって大声を出すと、

「ひどいな。ちょっとは考えてよ。雛子ちゃん。」と足立先生が笑って、
「まあ、検査が終わってから、話し合って。」
と女医さんが私を検査台に寝かせながら笑いかけた。