無愛想天使
-レ-
次の日、隼人に会う為に店の前で待っていた。

辺りは出勤時間が近付くにつれて、賑やかになっていき通る人達は物珍しそうに私を眺めていく。

早く来ないかな…

珍獣でも見るような視線に耐えながら待っていると声をかけられた。

「乃々香ちゃん!」

あっ…。

待っていたのはあなたじゃないんですが…

私の心情を知らない笹本さんは嬉しそうに近付いてくる。

「どうしたの?あっ!もしかして僕の事待っ…」

「ってないです」

重なるように言うと、だよねと笑っていた。

「…乃々香?」

きた。隼人だ。



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