無愛想天使
-ファ-
あれから一年経ち、笹本さん…いや、大翔は相変わらず私に会いに教室へ毎日やってくる。彼氏、彼女ではなくあのままの関係が今も続いている。

「乃々香ちゃ〜ん。ケーキ買ってきたから一緒に食べよ〜!」

「うんっ」

私の正面は大翔の指定席になった。端から見るとぎこちなかった態度は今はなく慣れというものは本当に恐ろしい。

自分がこの人に、ここまで心を開くなんて出会った当初は思いもしなかった。



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