無愛想天使
-ソ-
次の日、会場に着くと先生と別れて出演者控室に向かい、衣装に着替えて鏡の中の自分と向き合った。

普段はあまりしないお化粧も少しだけした。全ての準備を終えて、改めて鏡に映った私を見ると、いつも以上に笑えていなかった。

衣装は、白を基調としたシンプルなもので私が選んだ。先生は、いかにもっていう感じのピンクのフリルがついているものがいいと最後まで言っていたけど、聞き入れなかった。

そんな衣装は私には似合わないと否定すると、自分と玲子の娘なんだから似合わないはずがないと誰が聞いてもひいき目で親バカな発言を自信満々でした。

ここまでくると、親バカもある意味尊敬に値するのかもしれない。



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