零れた液体に名前はつけない

僕と君、合わせてグレーでいれたらそれがいい


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 「…どちら様でしょうか?」

 突然の来訪にオナガは何時もの笑みで応対した。

 訪問者の汚れ方から既に極限状態だと容易に想像がついた。

 「嫌味な男の三人組に言われてきた。ウツケモノを探しに…合わせてください」

 力の入らない少女を担いで、男が吐き出すように呟いた。

 「…その方の名前は?」

 「しらない。興味もない」

 「…それではお通しできません」

 「待って…確か…ホシさんと…言っていた気がします」

 ホシの名前には聞き覚えがあった。

 オナガの知るホシは男でなく女だが。

 「…どうぞ。今お呼びします」

 部屋に通されるなりソファに座らされた。

 
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