刺激の強すぎたお持ちかえり 【完】
「あー。えっと成嶋さん。」

「何?」

でも、とりあえず会話は
してくれるようだ。

「今日はどうするんですか?」


今日は土曜日。
成嶋も仕事は休み。

なので、昨日の夜から
泊まりに、
成嶋の家に来ていた。

コーヒー片手に
日経ビジネスを読みながら成嶋が聞いてくる。


「お前、何時に帰ってくんの?」


今日は、
前から約束していた
横浜に住んでいる友達と会う。


「どうでしょう?

横浜まで時間そんなにはかからないし。
ランチだから、夕方……

あ、でも、寮に忘れ物したので
1度戻るつもりですけど。」


「……。」


なぜ黙る!?
聞かれた質問に答えただけですけど!?

しかも
昨日は出掛ける事、楽しく聞いてくれてたよね!?


「お前、……はぁ。まーいいや。
早く行けよ、時間なくなるぞ。」

そう言って言葉を濁し、
そのまま雑誌に目を戻す。



は?なんだ?
散々人に言いたい事は言えって
言ったくせに。
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