私のいとおしい残念な男達
最悪な日


嗚呼ぁぁ…………

バカな私
こんなことになるなんて



誰か、これは嘘だと言って

私を殴って本当の現実に戻して…………





「はあぁ………… これは、もしかして」


何度見直しても同じ情景だ


ダブルベッドの横にソファーとガラスのローテーブル、正面には40インチくらいのテレビに小さい冷蔵庫、すぐそこに洗面所とバスルーム

窓はあるのに、朝なのに、隙間の光だけの
暗い部屋

やたら派手な壁紙に、趣味の悪い照明


そして横に寝ている裸の男

この男、だよなぁ…………あぁ、頭が割れそうだ



「…………………」



と、兎に角この場はそうそうに立ち去って………

ってか、私の服はどこだよっ!!




「風呂…………入いんねぇの?」


必死に散らばった服を探していたのに
……………チィッ、起きやがった


「し……………仕事に遅れるから」


私の後ろでモソモソと起き上がる音がするが、さすがに身体にシーツを巻き付けたまま背を向けて振り返る事は出来ない


「そのまま行くのか?ってか大丈夫だろ、会社すぐそこだし」


「へっ?」

会社の近く………?


ローテーブルに置いていた【室内取扱い説明書】の、見覚えのあるホテル名


『ホテルろまんす』


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