ただ、好きなだけだった。



「綾…ごめんね…。腕は大丈夫?」



「痛い。でも大丈夫。お母さんが悪いわけじゃないよ…。お父さんの酒癖が悪いだけよ」



「そうだよ…!悪いの和君じゃん?百合が悪いわけじゃないよ」



「ありがとね…」



バンっ


ドンっ



下からは今だに激しい物音が聞こえる。




「じゃあそろそろ百合は行くかなっ!2人ともおやすみ」



百合が急に立ち上がった。



「百合…。今下おりて大丈夫なん?殴られたりしないっ?」



本当に百合が心配だった。



だって下からは今だに凄い音……



それだけ機嫌が悪いて事じゃん…?



百合が殴られたりするんじゃないかって…怖い。




.
< 95 / 114 >

この作品をシェア

pagetop