あの日、あの場所で-君に恋した夏の日-
<秋>駆け抜けた文化祭

永遠 春人の憂鬱 1


秋刀魚のような形の雲が浮かんでいる、澄み切った橙色の秋の夕空。

そうこう騒いでいるうちに、夏休みも、今日で終わり。

(今年の夏は、過ぎるのが早かったな。)

春人はそう思った。

楽しい時間ほど早く過ぎてしまうというのは、本当だなと実感する。

本当は、一分は六十秒、一時間は六十分、一日は二十四時間。

そう、決まっていて変わらないはずなのに。
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