哭く花
どれくらいそうしてただろう。

「いこうか、美岬さん。」

先生の声が脳裏に静かに響いた。

目を開くと、

後ろの席のドアは開いていて、

その向こうに先生が申し訳なさそうに立っていた。

「ご、ごめんなさい、今、でます」

久しぶりに理性が戻ってきたような感覚だった。

きっと今なら、どんな事実だって受け止められる。

目をつぶっている間に聞こえたのは、

大好きな3人の、頑張れの声だったから。


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