哭く花

それから私は、ゆっくりと時間をかけて、

拙い言葉を紡いで、夢ちゃんへと届けた。

何度か涙が零れそうになるのを、

夢ちゃんに気づかれないよう、隠しながら話した。

家族のこと、先生のこと。

とにかく1週間を1日、1時間、1秒、そのくらい詳しく、

あったこと全てを、夢ちゃんに伝えた。

そうして私がすべてを話して黙ると、

今度は夢ちゃんが大きく息を吐いて、

「よかったああああ」

と叫んだ。

「美岬が幸せそうでよかった。笑っててよかった。」

それだけで十分だ。うん。

と笑ってくれた。

「夢ちゃんだいすき」

私は本当に、

夢ちゃんに会えてよかった。

二人で顔を見あって笑っていると、

後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

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