六冠神竜姫(むかんしんりゅうき)
~翌日~
午前9時。
僕は家の近くにある少し大きい公園にある
ベンチに座って快晴の空を見ていた。
「・・・・・・やっぱりいた。」
「ん?」
空を飛んでる小鳥の数を無意識に数えていたとき、後ろから女性の声が聞こえた。
この声は、
「矮華・・・」
「何してるの?」
彼女はベンチの前に来て、僕の隣に座る。
「特に・・・」
「・・・・・・そう。」
ここで僕たちの会話は終わる。
 
はずだった。
「坂之上くん。いつからそんな、何に対しても無関心になっちゃったの?」
彼女は、僕の顔を覗き込むように身を乗り出して、 眉間に少しシワを寄せて聞いてくる。
「別に・・・・・・」
僕は彼女の顔を見ないようにするため顔を反らす。
けど、彼女が身を乗り出しているため顔を反らしてもどこか必ず彼女が映ってしまう。
「・・・・・・もう。」
彼女は諦めたように顔を離すと、先程の僕と同じように空を見上げる。
「・・・・・・。」
僕も彼女と同じように空を見上げ、10分
くらい2人並んでそうしていた。
空には雲がまったくなく、少し鳥が飛んでいるという完璧な快晴だった。
僕は軽く目を細め、太陽の近くを見る。
当然の如く太陽は眩しく、視覚をおかしくしてしまった。
「・・・なにしてんの?」
あまりにも眩しすぎて顔を伏せた僕の様子をみて察したのか、彼女は微笑しながら聞いてくる。
「・・・何が、面白いの?」
僕は目を手で押さえながら、何気なくきいてみたつもりだったのだけれど、
「いや、なんかおかしなことやって、目痛めたなーっと思って。
なんか、機嫌悪い?」
「え、あ、いや。特に・・・。」
「なんか、言い方怖いよ?」
彼女に言われたことが、僕にとって少し引っ掛かるなにかがあった。
「ごめん。」
僕は一言そう言ってまた、空を見上げまた何もない1日を過ごした。
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