涙色
4章

拉致

退院してからもう1週間。


学校側にもしっかりと話をして、欠席にはならなかった。


監禁されてたんだから学校には行けないし。


学校でいじめられるのもいつものこと。


私のお父さんの事は学校の人たちは知らなかった。


知っているのは先生達だけで。


まあ特別扱いなんてないんだけど。


だいたい私がいじめられてるの知ってて、見て見ぬふりしてたからね。


なにもなく。


平和に、過ごしてたんだ。


だから少し平和ボケしてたのかもしれない。


交戦はもうすぐだって知ってたのに。


翠嵐と桜嵐での交戦はそう遠くないってわかってたのに。


それなのに、また、私のせいで。


もう少し緊張感を持っていれば、防げたかもしれなかったのに。
< 143 / 161 >

この作品をシェア

pagetop