涙色


「夢羽、大丈夫だから。落ち着いて、息吸おう?」


「っあ、は、はぁっ」


少しずつ、落ち着いていく。


でも体の震えは止まらない。


「大丈夫、大丈夫。」


「っは、るき・・・」


もう体よりも、心が限界みたいだ。


「ん?どうしたの?」


優しく聞いてくれる春輝。


私はだんだんと力が抜けていく手で、精一杯春輝の服を掴む。


「私は、いらない────?」


私の意識はそこで途切れた。
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