【短】本当に大切なもの
ある日、あたしは
他の先生と喧嘩した。


授業に出たくなくて
屋上でぼんやりと座っていた。

空は晴れ渡っている。


少し時間が経って
屋上のドアが開いた。
ドアが古いから音ですぐに分かる。

誰?
見つかったらやばい。

ドキドキしながらも
あたしは堂々とすることにした。

足音が止まった。


「まーりな、」

顔をあげた。
この声は中村だったから。

あたしはふて腐れたように

「何?」
と言った。


「どうしたの?こんな所で」







黙り続けるあたしに
先生はもう何も聞こうとはしなかった。


中村が屋上から去る時、

「授業出なさいよ…」

そう言ってあたしの頭を
撫でた。



どうして?
てっきり、あたしは怒られるのだとばかり思っていたから…
何でいつも反抗するあたしに
優しくするわけ…?

ああ、これが中村の優しいところなんだ。
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