a・ri・ki・ta・riな雨の物語
心のままに
 雨は、一向に止む気配を見せないで、降り
続け、そろそろ太陽の光が、恋しくなった朝
 
 私が給湯室から出たところで、出社したば
かりの公平とばったり会ってしまった。
 「おはよう」
 「おはよう。おまえ早いな」
 公平は、眠そうに答えた。
 「何も考えてない公平には、わからないと
思うけど」
 ちょっと、とげがある言い方かな?
 「一応新人みたいなものだから、気を使っ
て早くきてるの」
 「ふーん そうかぁー」
 まだ眠そうな公平がいた。
 ふと視線を下げると、公平の手に、スポー
ツ新聞が握られていた。
 「公平、何これ。こんなの持って地下鉄に
のちゃうの?おじさーん」
 高校の頃からオヤジ化現象にあったから、

 
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