笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


自分の名前である“依美”は、“エミ”と読む。



“笑み”とも聞き取ることができる、その発音。



漢字に“笑”という字が使われていないのが、唯一の救いではあったけど。



笑えない人間にとって、この名前は決して嬉しいものなんかじゃなかった。



これはそんな私、沢野 依美 (サワノ エミ)の物語である。


< 2 / 463 >

この作品をシェア

pagetop