笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
奏は優しく笑ってから、私と同じように紅茶を飲んだ。
カップを持つ指先が綺麗で、私は目をそらす。
これ以上、奏への想いを増やしたくない、できるだけ。
奏の全てが愛しく見えてしまうから、見つめすぎないようにしようと思う。
「奏は、授業に出ないでいて、両親に何か言われたりしないの?」
私はさり気なく視線を外したまま、奏へと問いかける。
でも、思ったより長い間、奏の返事がなかった。
不思議に思った私は、そっと顔を上げ、奏を見た。