サプライズ★フィナーレ
「エリが素直じゃない時は、不安な時だろ。そんな仔犬が、すがるような目で見やがって。……でも俺が、させてんだな」


翔は、少し呆れたような納得顔をみせ、苦笑いしながらそっと肩を引き寄せた。

ホッとした私も、広く引き締まった背中を包み返した。


「少し冷静になる時間がいるかも。俺、マジでヤバい。……野獣って言われても反論出来ねーくらい、頭ん中エリでいっぱいでさ。でもこれだけは信じろ。シたいから結婚したいんじゃない。ただエリといたいだけ……。一分、いや一秒でも早く、エリと暮らしたい。エリを一番近くで守りたいんだ」


いつの間にか翔は、私の体だけでなく、心まで包み込んでくれるようになっていた。

優しい腕と強く深い愛で、私を丸ごと受け止めてくれる最上級の大人の男性に。
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