サプライズ★フィナーレ
「早く乗れよ。迷惑だろ」


「……ごめんなさい」


翔がいなければ、さっさと乗ったし。

お腹の中で小さな溜め息付いて、扉の正面に向き直すと、後方の女子が、猫なで声で翔に話しかけた。


「で、北山景子? それとも綾瀬はるなですか?」


察するに、翔の好みのタイプを聞いているらしい。

でもタイプなんて、アテにならなくない?
いくら理想のタイプであっても、好きになる人は、違ったりするし。

ふと視線を感じて右上を見ると、翔が見下ろしていて、ニヤリ唇を歪めた。

……嫌な予感。


「新垣結菜かな。けど、顔もカラダも超タイプは……断トツ、エリ」


そう言って、左腕で私の頭を自分の肩に引き寄せる。

シーン……
静まり返るエレベーター内で、硬直状態の私。

やっぱりね……。




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