サプライズ★フィナーレ
二人で高笑いしていると、ふと翔輝君が黙り込んだ。


「相変わらずいい度胸だな。俺が来たの気付いてて口説くとは」


そして後方から、渋く低~い声。

振り向くと、朝食後いつの間にか消えていた翔が、睨み効かせて両腕を組み仁王立ちしていた。

……めちゃ青筋立ててる。

即、翔輝君の腕から脱け出そうとするけど、彼は更に力を込めニヤニヤしてる。

完璧遊ぶ気ね。


「だって愛梨が、俺のマジ口説き見たいって。ねぇ?」


「うん、見たい!」


「ふざけんな! いい加減離しやがれ! お前もいつまで抱かれてんだよ!」


まさに鬼の形相で、サッと放たれた私を強く腕に閉じ込めた。

翔輝君は、そんな翔に全く動じず、両腕をバルコニーに広げてみせた。


「翼が、言ってた。翔は、『マジ世界一面倒な男。惚れ続ける愛梨は、世界一不憫な女』」

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