友情は初恋と引き換えに
「じゃが、大抵の者は制御して生活している。なぜそんなことができるのか……それは誰しも光を持っているからじゃ」



光…。



「楽しかったこと、嬉しかったこと、感動したこと…。それらから生まれる、相手を大切に思う心」



蘇るたくさんの思い出。



龍人と遊んだ幼い記憶。



まゆと初めて出会ったあの日の笑顔。



黒板に落書きをして3人で笑いあった放課後のこと。



「闇を制御するには光がいる。じゃが光を失った時…人は闇にのまれる」



おじいさんの目がキラリと光った気がした。



それと同時に私の額を冷や汗が流れる。



「私……とんでもないことを…」



するとおじいさんはニコッと笑って…。



「お嬢さんはもう大丈夫じゃな。心の中に光が見える」



私の中の光。



まゆと龍人が大好きって気持ち。



絶対になくならない3人の絆。


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