悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?

「どうって、仕事は尊敬してるし、一緒に居て楽だし、その」

どうって、どこまで正直に言っていいのだろうか。

「仕事で疲れているのは分かるけど、一緒のベッドに寝ようとするのはどうかと思うけど、その」

「全然わかってないじゃねえか。お前、俺と結婚って、自分の設計した人生設計の一つぐらいにしか考えてないか?」

「っ考えてない! ただ、巧と結婚するんだろうなって」

そう思ってたから、他の男を恋愛感情を持って見たことが無かった。

「だからそれが人生設計の一つだって言ってんだよ。俺が居るからって恋愛から逃げて、仕事ばっか」

「……巧が何に怒ってるのか、本当に分からないんだけど。じゃあ巧はどうなの? 別に私じゃなくてもいいの?」

「誰でも良いわけじゃないから怒ってるんだ。恋愛しなくてもいいと思ってるお前にプロポーズするのが面白くない」

理不尽。
やっぱり巧が何に怒っているのか理解に苦しむ。
私は私を磨いて生きてきた。でもそれは、仕事で巧の隣に立つのになんら劣っていたくないから。
隣に居るのは私だけしかいないって思わせたかった。

たおやかに。
しなやかに。
艶やかに。
明晰に。

頭の天辺から足のつま先まで、私はどこもかしこも完璧でありたかった。

努力って、なりたい自分に手が届いていない負け犬の状態なんでしょう?
私はそれが許せない。
常に向上心を持って、理想の自分を追求していきたい。

それを誰よりも隣にいる巧は感じ取ってくれていると思ってたのに。
< 72 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop