龍瞳ーその瞳に映るもの
それ以上の言葉はなく
また前を向き倉庫に歩き出した。

陽が沈みかけた薄暗いシルエットに
泣きたくなるのは何故だろう。

潮の匂いも肌にも感じる風にも
泣きたくなるのは何故だろう。

錆びたシャッターには鉄の鎖が
上からぶら下がっている。
その隣のドアを開きアズは入っていく。

後に続く私が見たものは
防犯カメラとアズの部屋と同じ
セキリュティシステムの機械。

ここは本部なんだろうか。
だとしたら、本当の雇い主に会う事になる。

役立たずと判断されれば
私は殺されるのかも知れない。
だからアズはさっき聞いたんだろう。

出る事が叶わないかも知れないドアを
くぐるのは正直怖いけれど
私は堂々とそこに足を踏み入れた。
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