龍瞳ーその瞳に映るもの
「なにここ」

ナノハが入って行ったのは寂れたビル。
廃墟寸前のそのビルに消えたナノハ。

怪しまれないようにビルの前を通り過ぎ
少し先の路肩に止めた。

そのビルの窓は全て閉ざされている。
窓枠には鉄格子がはめられ、
部屋らしき窓にはカーテンが閉められている。

「潜り込んだんじゃねーか?」

パッと見は廃墟みたいだけど、
美緒は見逃さなかった。

ナノハが入口で機械を触っていた。
あれは完全にセキュリティだ。
廃墟にセキュリティはない。

「違う、他にも誰かいるよ」

絶対怪しい、キナ臭い匂いがする。
あそこで何してるのか誰といるのか
掴んだら一生ナノハをしもべにできる。

保険金だって簡単に美緒のものになる。
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