先生のことなんて好きにならない!




「先生、私今日のお礼として、迷惑で無ければ毎日お弁当作りますよ」


「毎日って、良いのか?」


「はい!2人分なんて余裕ですよ。卵焼きがいつも余っちゃう分が余らなくなって良さそうですし」


「じゃあ、お言葉に甘えて。それじゃあ、俺は、七瀬にしっかり勉強を教えるのと、七瀬がまた困った時いつでも駆けつけるって約束する」


「何それ。本当にヒーローみたい」


「ヒーローってちょっと恥ずかしいな」


「確かに」



笑いあう私と先生の関係を数日前の自分に聞かせたら何と言うだろう。


きっと、ありえないと大騒ぎするだろう。


だって、最初はただの無愛想な人だと思っていたのだから。こんなに優しくて、私を助けてくれて、冗談だって言える…そんな人だと思っていなかった。


先生を知れば知るほど、何故か胸が苦しい。これは何…?
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