イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「……女性だからって馬鹿にしないで」

「は?」

私の反論に驚いたのか、氷川が眉を寄せた。私は敵意剥き出しに彼を睨み上げる。

「そういうの、性差別っていうんじゃないの!? 私はちゃんと一人前の働きをしているつもりよ!」

「……そういうことを言っているんじゃ――」

「それに、ちゃんと朝帰ってシャワーを浴びてきたし着替えだってしたし、女性としての美意識の怠慢も――」

「――ですから。そういう問題では」

ちなみに、時間がない中、無理に帰宅して着替えてきたのは、シャワーを浴びたかったからというよりも下着を変えたかったからだ。
今日は勝負のプレゼン。赤じゃないと縁起が悪い。
……冷静に考えてみれば、会社と自宅を往復して体力を削るよりも、会社に残って仮眠を取った方が有益だった気もするが。
それでも、ジンクスは大事だ!

「とにかく! このプレゼンで女だって仕事が出来るってことを証明して見せるから!」

私は横を歩く氷川を振り切り、先を急いだ。
これ以上は時間の無駄だ。私と氷川が何を語り合っても理解し合うことなんて不可能だ。
決着は仕事でつけるべき、である。
彼に勝つ実力があると、私は私を信じている。
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