イジワル御曹司のギャップに参ってます!
全員の「あ」という呆れた顔。ちょっと申し訳ない気持ちになりながらも心の中でごめんと繰り返して、まだ行列に並ぶ彼らへと手を振った。

すかさず
「それなら私もパスしましょう。絶叫系は苦手なので」
そう宣言した氷川が、周囲の人々に身体を擦らせて嫌な顔をされながらも、無理やり列から抜け出した。

「ちょっと! 氷川さんまで!」

追いかけようとした市ヶ谷くんを氷川が声を張り上げて制す。
「せっかく並んだんですから、そのまま並んでいてください」

私の隣まで逃げ出してきた氷川が、二人へ指を突きつけて指示した。
「このアトラクションの調査は二人に任せましたよ。
私たちは『ラブ・キャッスル』の方を調べてきます」

やられた! というような市ヶ谷くんの苦い顔。青山さんですら困惑している。

二人を鋭い視線で馴らした氷川は、今度は私に向けて合図を送る。
『黙ってついてこい』そう言われたような気がした。

待ってくださいよ! と絶叫する市ヶ谷くんに目もくれず氷川はずんずんと歩き進める。
私は何度か振り返り取り残された彼らを気にしながらも、仕方なくその場を後にした。
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