『ココロ彩る恋』を貴方と……
「黄色のものが食べたい」


(黄色?)


唖然…としたものの、今日は初日よりかはマシだと気づく。


「わかりました。黄色のものですね」


頭の中に黄色の食べ物を思い浮かべながらダスターを置いた。
リビングの中に彼を置き去りにしたままでキッチンへと向かう。

ここで働き始めた日も同じような答えが返ってきて驚いた。

しかも、その時に頼まれた色は黒で、『黒いものを作って下さい』と言われ、イカスミでも食べてなよ…と言いたくなった。



『畏まりました』


いつだったかテレビであった家政婦ドラマの真似をしてキッチンへと向かった。
私の前にこの家で家政婦をしていた人が綺麗好きだったと見え、意外にもキッチン内は清潔に保たれている。

しかも、この家の主のことを熟知していたらしく、食材は全て色で分けられて置かれてあった。


『助かる〜〜!』


自慢じゃないけど家政婦業の中でも料理は得意とは言い難い。
あってはならない事だけど、レパートリーが少ないんだ。


(……だって、普段の食生活がカップ麺主流だもん)


余計なことにはお金はかけずにいようと思うせいか、気づくとそんな生活になっていた。
そんな私も高校生くらいまではきちんと食事をしていた。
家族と一緒に暮らしていて、自分ではなく同居する家族が料理を担当していたからだ。


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