すきなのに!!


すると、2人がある扉の前で急停止したものだからあたしは金髪王子の背中に鼻を強打した。



「痛ーい!鼻折れた!」

「そんな簡単には折れないよ」



冷静な声色の金髪王子にあっさりと、簡単にあしらわれる。


なんとか脱出の機会を窺うあたしの腕をがっちり掴んでいる金髪王子がドアノブを回して扉を開ける。

あたしはミルクティーに勢いよく引っ張られて危うく地面とこんにちはしそうだったけど、頑張って耐えた。


態勢を戻して部屋を見てみると、




「……音楽室?」



いや、でもキッチンあるし、ゲームあるし、チェスあるし、ソファーあるし。改造しまくってんじゃん。

落書きされたグランドピアノを見て、あたしは思わず顔をしかめた。なんてことしてんだ。


ここがアレか。“溜まり場”ってヤツかな?



「お疲れ様です!」



坊主頭の野球が好きそうな少年が笑顔でそう言うと、後ろにいた大勢のヤンキーズも声を揃えて「お疲れ様です!」と言う。

強面な彼らに内心ではビビりまくっている。


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