すきなのに!!
颯くんは真っ赤になるあたしを見て、さらにニヤニヤと笑い出した。

や、やだ。この人すっごく楽しそうなんですけど!!


「お。そんな真っ赤になっちゃうなんて可愛いね。キス、しちゃおっかな」

「ひいいい!!よ、よよよ寄らないでよ!!変態!スケベ!!淫乱!!」


「褒め言葉ありがとー」


「褒めてない!!」




ちょっとちょっと!周りの人どうしたの?!特に理陽!

顔を颯くんに固定されてるからあんま見えないけど、夏樹くんが「わわわわ」って慌ててるのは聞こえたよ。

輝はアテにならんからスルーで、朋稀も…スルー。晶くんはそもそも気づいてなさそうだな。


…てか凛は?!あたしの親友の凛ちゃんは?!あの子は何やってんの?!!

あたしは渾身の力を込めて首をぐいっと回した。ゴキって変な音したけど、もう敢えて気にしない。


体を張って凛を探した結果、凛は理陽と窓際で何やら話し込んでいた。


「この歌詞めっちゃいいね!」

「でしょ?凛ちゃんもそう思う?!やっぱサタンオールスターズは最高だよね!」



アイツら、意気投合しちゃってるね。


なんなの?なんなのあの人たち。2人でイヤフォンで音楽聞いてるよ。

理陽にとっては幼馴染、凛にとっては親友のあたしに見向きもしないでサタンについて語り合ってる。


そういえば、理陽は昔からサタン好きだったな。
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