私の初恋、もつれてる
私の前を波多瀬くんは走っている

私の手は掴まれたまま。




どきどきする

男の子と触れるのが久しぶりだからかな。…違うか、走ってるからか…



走りながら至極どうでもよいことが頭の中を占める

…最近走ってなかったから疲れるな







視線を落とすと、掴まれている手が目に入った

私の手を掴んでいる波多瀬くんの手は、私よりもすごく大きく、骨の節が浮いている


「(…男の…手だ……)」


自分のものと違う手に、波多瀬くんは男であるということが意識されてしまう

そのことがよりどきどきを加速させる



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