For You 〜 天使だった君に 最高のお返しを

2009.3

昨日のことで一晩中頭をぐるぐると悩ませていたから、少しでも睡眠を取りたかったけれど、あまりの寝付けなさに、結局いつも通りの時間に布団から出ることにした。

そして、ほとんど上の空で日々のルーティンワークをこなし、いつも通りの時間に登校する。


授業を受ける準備をしながら、昨日から何十回と頭の中で整理した昨日の状況をまた整理する。


ライブが終わって、感想を聞かれて、いつも通り感想を伝えた後に、気になった歌詞のことについて尋ねた。

尋ねるまで、彼はいつもと変わらない様子だったと思う。

尋ねると突然彼が真顔になって、「誰かから聞いたの?」って言われて、「そんな感じがした」って答えて、そしたら彼が黙って、嫌われたかと思ってたら、突然……!


だめだ……何度整理しても状況は同じに決まってる……


準備が終わると、自分の席についてその日の宿題を片付けようとするが、問題文が一向に頭に入ってこない。


なぜあの流れで告白!?いろいろ端折り過ぎてない!?彼の頭の中で何が起こったの!?

もしかして私の聞き間違いだった!?

やっぱりどう考えてもあの流れで、告白なんてするわけない!

でも彼に聞き直して、やっぱり「好きだ」って言ってたらどうしよう!?

だめだ!早く宿題しないと!今日当てられるかもしれないのに!


バラバラの思考をかき集めながら、必死に頭をぐるぐると回しているのに、宿題の進捗も昨日の状況整理の進捗も生まれない。

刻々と経っていく時間に、どんどんと焦りが出てきて、それが思考の散らしに拍車をかける。


ここの角度がθってことは、ここの長さがsinθ×aってことだから……

ああ!もう始業まで15分しかない!まだ大問が3つも残ってるのに!

昨日の私の反応、彼はどう思ったのかな!?

突然で驚いたとはいえ、失礼な対応をしてしまったよね!?

ああ!何を求める問題だっけ!!



何度もそんなような思考を繰り返して、何十回も同じ問題文を読んでいたところに、さらに思考を散らす一撃が入った。
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