昨日の私
「あれは木だよ」






『あれが木なんだ!
話でしか聞いたことがなかった』







森じゃなくても木は何処にでもあるんだね。





って可愛い顔で笑いながら言うものだから




もっと教えたくなった。










私は少しだけ、ほんの少しだけ彼に興味が出来た。











「そういえば名前!聞いてなかったね。
君の名前はなに?」








『名前…?』






僕の名前?



まるで忘れてしまったかのように呟く彼。









本当に彼は私と同い年なのだろうか。








「わからないの?」








『僕は…僕の名前は…』









頭を抱えながら









本当にわからないのか。









この後彼は時間が経っても名前を思い出せることはなくて




「そしたら君は今日からユウだね!
優しいって書いて優(ユウ)だよ」








私?





私は華ってよんで。
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