もう1度、あの恋を







「……そっか……
じゃあ、もう……別れよっか…」



震える声でそういう私。




「別にいいんじゃねえの?」




奏太は、そう言うと私を、静かに見つめ、ため息をついて廊下に出て行ってしまった。






その後を、友達は追って、教室には私と朱里だけが残る。朱里は私のそばに駆け寄って抱き寄せた。






「……美月っ、ごめんねぇっ」




悔しそうに、そうつぶやく朱里に、私は、ただ首を振ることしかできなかった。





「私がっ、いけないんだよ……っ」






幼くて








臆病で










< 132 / 202 >

この作品をシェア

pagetop