もう1度、あの恋を



「はぁい。」


朱里はやる気のない返事をして、椅子から立ち上がり、携帯を持って廊下に出て行く。



わかってないな、あの顔は。



苦笑いで、朱里を見送ると私は前を向き、
芹沢さんの方を向く。



「朱里ちゃん大変だね……」


芹沢さんも、また、苦笑いだった。




朱里は、昨日も笑っていた。



「そんな怖いことあったのに、
朱里ちゃんってすごいね…」


芹沢さんも、驚いていて、そりゃ、私だって驚くよ。




< 29 / 202 >

この作品をシェア

pagetop