もう1度、あの恋を
「はぁい。」
朱里はやる気のない返事をして、椅子から立ち上がり、携帯を持って廊下に出て行く。
わかってないな、あの顔は。
苦笑いで、朱里を見送ると私は前を向き、
芹沢さんの方を向く。
「朱里ちゃん大変だね……」
芹沢さんも、また、苦笑いだった。
朱里は、昨日も笑っていた。
「そんな怖いことあったのに、
朱里ちゃんってすごいね…」
芹沢さんも、驚いていて、そりゃ、私だって驚くよ。