ずっと、キミが好きでした。


その傷をどうにかしてあげたいと思う私は、ただの偽善者なのかな。


でも、れおが私を必要としてくれている限りはそばにいる。


絶対に離れない。


好きだから……。



「わー、見て見て!すっごい綺麗!」



れおの腕を興奮気味にバシバシ叩くと、繋がったままの手が反動で揺れた。


そんな私にれおが苦笑する。


うん、これはいつもの光景。



「ねぇ、あれ!夏の大三角じゃない?」


「どれ?」



私が指差した方向を同じように見上げるれお。



「ほんとだ。よくわかったじゃん、えらいえらい」



れおは口元に笑みを浮かべながら、私の頭をポンポン撫でた。


上から顔を覗き込まれ、目の前にあるれおの笑顔にドキッとする。


そんなに至近距離で見られたら、どんな顔をすればいいのかわかんないじゃん。



「も、もう!バカにして。私だって、それくらいわかるんだからね」


「はは、またスネてる」


「スネてないもん」



フンッと鼻を鳴らしながらプイとそっぽを向いたのは、完全なる照れ隠し。


あーあ、今の私ってば全然可愛くない。


私だけ……。


私だけがれおの行動にドキドキしたり、赤くなったり、戸惑ったりしてるんだ。


きっと、れおはなんとも思っていない。


だから、ドキドキさせるようなことを平気でやるんだ。


れおも少しはドキドキしてくれたらいいのに。


スネた目でれおを見れば、れおはさらに目を細めて笑った。


大人っぽいれおと子どもの私。


< 11 / 251 >

この作品をシェア

pagetop