生き続ける意味







あたしなんかより、晴ちゃんはずっと苦しいんだろうな。


命がどれくらいあるのか、どれだけ大変なのか。

... 今まで、どれだけ辛い思いしたのか。



そんな、つもりつもったものは、あたしよりも思いはず。




あたしがこう話した所で、現実は変わらないし、

あたしには晴ちゃんの命を助けてあげられることができない。







... けど。けどさ。


すこしでも、心が楽になれるなら。


あたしは晴ちゃんの心を助けてあげたい。






いまだに、ぽろぽろと涙をこぼす晴ちゃん。



「さくら... ちゃん。」



かすかに、声がした。

あわてて耳を近づける。



「ん?なに?」




「... ... わたし、桜ちゃんがいいな。」



ぐいぐいと涙をぬぐって、すこしだけほほえんだ。



「わたし、桜が大好き。


だから、桜ちゃんに聞いてもらいたいの。」



え。... え?


あたし。あたし?



思いがけない言葉に、動揺する。


けど、そのとたん、心の奥からじわじわと、すごくうれしかった。



「う、うんっ!なんでも!なんでもきな!」



「うんっ... !」













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