甘い恋じゃなかった。
「嘘だろ」
しかし彼は私のことを全く信用していないようだ。
疑念に満ちた瞳で問い詰めてくる。
「正直に言え」
「…嘘じゃないです」
「俺をおちょくってんのか?」
「違います!本当に知らないんです」
「…お前」
グ、と手首をつかまれる。気付いた時には、1.5メートルあったはずの距離は0になっていた。
「…ナメんなよ?」
力を込められ乱暴に押し倒された。
ゴツ、と床に頭をぶつけたが、痛いと思うより先に恐怖で体が固まる。
組み敷かれた私を見る桐原さんの瞳を満たすのは、激しい憎悪と、怒り。