高校生の探偵ごっこ
入学
「えーー、皆さん入学おめでとうございます。校長の輝髮(テルカミ)と申します。本校の生徒は、勉学や部活動など何か一つのことに打ち込み必ず輝けるということを頭において過ごして欲しい。
また、良好な友人関係も大切だと思います。良好な友人関係を作るために大切なことはただ一つ......友達に嘘をつかないこと。嘘がバレたら信頼関係がめちゃくちゃになります。ですから「ふァァ...」君!今あくびしたでしょ!?駄目だよ、僕が喋ってるのにあくびしちゃ!ちょっとこっち来なさい!そもそもね」キーンコーンカーンコーン

「......次は各クラスでのLHRになります。指示に従って速やかに移動をお願いいたします。ほら、校長、早く壇上から降りてください。」


何なのこのグダグタ感。
これ入学式で終わりなの?えっ?
と、とりあえず司会の先生が移動って言ってたから教室行かなくちゃ。...てあれ?教室の場所知らない...しかもさっきまで周りにいた子がいなくなってる...ど、どうしよう...ついてないなぁ...


「どうかした?」

「のわっ!?あっ、あの、えっと...」


急に話しかけられちゃったよぉぉぉ!?


「あ!俺、2年5組の小鳥遊 心遥(タカナシ コハル)。名前が女っぽいのは気にしないでね!」

「よろしくお願いします!小鳥遊先輩」

「遥でいいよ?」

「じ、じゃぁ遥先輩...」

「うん!君の名前は?」

「私は...日暮 永絆(ヒグラシ ナズナ)です。」

「永絆ちゃんね、了解!で、どうしたの?」



最初から名前呼びですか、そうですか...



「実は...迷子になってしまいまして...」

「ぷっ...迷子?」

「人が困ってるのに笑いましたねっ...そうです、迷子です!」

「ごめんごめん!どこに行きたいの?」


ごめんなんて本当は思ってないじゃないですか…まぁ、先輩なので言いはしませんが。


「1年5組です」

「お!俺の真上だ!連れてってあげるよ!」

「本当ですか!?ありがとうございます!」



遥先輩が居なかったら今頃この体育館で凍え死ぬところだった。入学式からこんなんで...私やっていけるかなぁ
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